顧客が相談したくなる営業ヒアリングのコツ

ヒアリング時に関係を築いておこう

営業パーソンと顧客との距離感にこだわる必要があります。なぜなら、距離感が遠いままでは、いつまでたっても信頼関係が築けないからです。

ご存じのように、営業の基本は相手と信頼関係を築くこと。まず入口である人間関係をしっかりと築いていく必要があります。

「早い段階で信頼を得ていくこと」

これは、私が何十年も大切にしている営業の基本です。ヒアリング時にきっちり相談にのってあげることで少なくとも「プレゼン前」までに信頼してもらえなければ商談は実を結びません。

プレゼンとは顧客に解決策を示す場。事前の「ヒアリング」で、顧客の状況、課題を正確に知っておく必要があるのです。

営業パーソンが信頼されなければ極端な話、ウソをつかれるかもしれないと顧客は感じ、いまひとつ突っ込んだ会話ができず、本音をヒアリングできません。一方、信頼されていれば、話しにくい事情も打ち明けてくれる。課題を抽出できれば、プレゼンに必要な材料は揃うわけです。

課題解決型の営業では、ヒアリングがうまくいくかどうかに営業の成果がかかっています。

もっと言えば、ヒアリングを成功させるために、営業の各ステップがあるといえるのです。初めてアプローチするアポ取りこそ、営業パーソンへの印象が決まる極めて大事なステップです。何気ないひと言、ひと言にも気を配りましょう。

しっかりとした信頼関係はそう簡単に築けるものではありません。完璧な信頼関係早々に築くというよりも、むしろ土台、下地をつくると考えるといいですね。難しい営業理論や手法を学ぶよりも大切なことは、営業エンジンを切って相手の言葉に耳を傾けてヒアリングすることです。

売り込みを感じさせない、信頼される話し方、すなわち「ふつうの話し方」を身につけていけばヒアリングも容易になります。

顧客との距離を縮める営業パーソンの話し方

大切な3つの営業の話し方

「ふつうの話し方」を心掛けることが前提とは言っても、その「ふつう」こそが難しいのではありませんか、とよく言われます。

確かにその通り。経験のない若い方にはなかなか難しいことだと思います。

弊社にA君という新卒の営業パーソンがいます。やる気もあって真面目な彼に、どんどん営業の現場に出てもらうことにしました。

入社早々ですが、社長直轄のミッションを与えて、私と一緒に営業の現場を回る。機会を与えられたということで、はりきって営業しているのですが、私から見るとまだまだ固い話し方です。

たとえば初回訪問のときなど、「はい、まずは会社説明です」「はい、次は商品説明に移ります」「最後はヒアリングタイムです」などとガチガチに進行してしまう。

しかも、ヒアリングが相手とのキャッチボールになっておらず、コミュニケーションが一方通行で、自分のペースで進めていく。

事前に自分の頭で再三シミュレーションを重ねているのかもしれません。それ自体は悪い事ではないのですが、どうもそれにとらわれ過ぎているようで一方通行の話し方になっています。

もっと柔らかく、臨機応変に対応したらいいのに。顧客が質問したことを受けて、もっと突っ込んだヒアリングをしたらいいのになぁ…。

営業シーンを見ていると正直、突っ込みどころはたくさんあります。

ただ、駆け出しの頃の営業パーソンに「ふつうの話し方」を心掛けるべきと説明してもなかなかうまくいかないかもしれません。

まして「どうしゃべったらいいんですか」「どう切り返したらいいですか」という質問に、こちらが手法やテクニックで答えてしまうと、それこそマニュアル的に捉え、またガチガチの営業トークになってしまうでしょう。

そんなとき、私は次の3つの営業の話し方をアドバイスします。

「きちんと相手の状況を想定して話す」

「わからなければ、わかるまでヒアリングする」

「疑問を感じた時は、率直に意見を言ってみる」

営業に関わらず、「話し方の基本」ですよね。

友達や気心が知れた人と話すときは、ふつうの話し方が出来ていても、営業という場面になるとどうしても肩に力が入ってしまいます。

特に難しいのが、率直に自分の意見を言うことです。

これが出来るかどうかで深い信頼関係が築けるがどうかが決まるのですが、売ろうと思えば思うほどこういう話し方から遠ざかる傾向にあります。相談にのる人ではなく営業だと思うとなかなか自分の意見を言えない。そういう心理的作用があるのではないでしょうか?そして3つの話し方をするには「売りこまない」「相談にのる」と営業パーソンが自身の心をコントロールすることが重要です。

是永英治

代表取締役

創業以来22年間、約600社の営業代行プロジェクトの指揮を執り様々な山を越えてきた営業代行のパイオニア。