WITHコロナで定着するインサイドセールス

1インサイドセールスの変遷

まず、インサイドセールスがいつ頃どこからきてどうなっていったかということを説明します。欧米や海外の取り組みのほうが断然早かったというのが結論です。一口に海外と言っても欧と米、アジアなど含めてカントリーごとで法律、商慣習の違いや国民性など人の気質にも違いがあるために営業に関する考え方や手法は違いがあり大くくりにはできません。そのため、国によってインサイドセールスの普及や取り組みに違いがあります。

ただし、アメリカなどは国土も広いのでいちいち訪問して会うというよりは電話で商談を済ませるということがかなり昔からありますし、人間関係より物の売り買いに対してもっと合理的に考えるために誰から買ってもあまり変わりなく会う必要は少ないという商慣習がWEB(インターネット)の登場以前からありました。

それに対して、日本では人間関係重視やビジネスもウェットに情でとらえるという側面が強く、まず、一度会ってから決めるとか人柄を見て決めるなどという風習がここ最近でも強く残っていました。

具体的には、インサイドセールスという言葉自体が日本で使われ始めたのは2015年くらいですが、当時は相当マイナーな言葉でした。そのあとマーケティングオートメーションの普及なども相まって徐々に言葉が広がっていきましたがメジャーになった(誰にでも通じるようになった)のは、コロナの影響でテレワークになってからだと思います。

それまではTVCMにあったようにひらめ筋を鍛えてガンガン訪問という営業MGRも少なくなかったわけです。

 

2テレワークで進んだインサイドセールス

皆さんご存じの通り今年に入りコロナウィルスが猛威を振るい日本でも4月5月には緊急事態宣言は出されました。当然営業自粛や濃厚接触を避けるということで訪問営業ができないという事態に陥ったわけです。又、かなりの会社が通勤をしないテレワークに移行をしたのですから訪問しようにも訪問できないということになり、各社は苦肉の策としてインサイドセールスを活用し始めたというのが本当のところでしょう。

実際にそれまではインサイドセールスを導入している会社もありましたが限定的な導入であったり、導入に至らない会社も相当数あったのですから。

しかし、インサイドセールスを取り入れてみると意外と便利と感じた方も多く、営業される相手方もコロナで訪問されても困るから必然的にWEB商談を受け入れるというカルチャーも自然と醸成されていきました。

 

 

3インサイドセールスの長所

実際にインサイドセールスに取り組んで、今までと違った営業スタイルをとってみると、便利だなと感じる部分やこれは今まで違うぞと思う部分などインサイドセールスならではの長所や短所が出てくるものです。

今、我々が感じている長所はまず、訪問効率がアップするということです。当たり前ですが、訪問しない分移動時間がなく、その分を商談に充てられるので効率的ですし、実は商談一回当たりの時間も短くなっています。どういうわけか会って話すよりもWEB商談になることで顧客側も合理性を求めるようになり訪問営業のようなアイスブレーキングや雑談などが減り時間も短縮されるというのが弊社の統計でも出ています。平均60分だったのがWEB商談になり45分にという感じです。感覚的には会って飲むリアルな飲み会よりもZOOM飲みのほうが時間が短くなるということと同じかと思います。これにより一層効率アップ出来るので一日5商談くらいこなせたりします。

二つ目の長所は、顧客接点のバーが下がるということです。簡単に言えば、訪問アポを取るよりもWEB商談のアポのほうがとりやすいということです。顧客の心理的なものだと思いますが訪問されるとなれば一定以上の圧を感じるのでしょう。売り込まれたら困るな!とか。それに比べてWEB商談であればZOOMから退出すればよいだけなので気楽です。その結果としてWEB商談ならいいですよ!というアポが取れるということになります。

三つ目は、マネジメントサイドの話ですが、商談のモニタリングがしやすいということです。当たり前ですが、訪問営業のモニタリングをしようとすれば営業同行をしないといけませんしそうしないと商談内容は見えませんからスキルマネジメントや顧客管理はやりづらかったのですが、ZOOMで録画したりとモニタリングをすることでスキルマネジメントも顧客管理もしやすくなりました。これは営業マネージャーにとっては大きいのではないでしょうか?

四つ目は、営業パーソン自体の職場環境を良くなるということです。夏場の暑い時期、冬場の寒い時期に汗と根性を連想させる訪問をしなくて済むようになり営業パーソンという職種のイメージや人気も上がるかもしれません。

五つ目は、経営サイドの話ですが営業交通費が削減できるということです。これは経営にとっては大きいことですね。

そして、最後にマニュアルの活用がしやすく成果を出せる人が変化する可能性があるということです。訪問営業ですと、顧客の前でマニュアルを出すわけにもいかず、営業パーソンが把握したことがすべてになってしまいますがWEB商談ですとマニュアルを手元にして商談ができますから習熟度が低い営業パーソンの助けになって営業成績自体の上下の差が縮めることができるため全体の底上げになるという効果も期待できます。

 

4インサイドセールスの短所

前項でインサイドセールスの長所をあげましたがいいことばかりでもありません。短所もあるのです。

一つ目は、成約率のダウンです。インサイドセールスは合理的だと前項で記しましたが、例えばコンプレックス型で大型、高額、複雑な商品はそうはいっても信頼がおける相手から買いたいということからWEB商談で実施すると成約率は下がるというのが弊社の統計からもわかっています。

二つ目は、熱量や熱感が伝わらないという長所とは逆説的な部分です。WEB商談だから人と人とのつながりは全く無視できるかと言ったらそうではないからです。

三つ目は、そもそも営業成績が良いアドリブが利く営業パーソンのモラルダウンです。今までの訪問営業で成績を上げてきた営業パーソンの中には、アドリブが利く熱量が高くそれが営業成績につながっているタイプの人が相当数いると思います。その人たちはマニュアル化などによって成果の上下差が少なくなるわけですから面白くないといえば面白くないわけです。

 

5インサイドセールス活用の課題と解決策

前項のように、インサイドセールス万能というわけにはいかないわけですから、解決策、つまり使い分けが必要だと思います。インサイドセールスと訪問営業の良いところを組み合わせるのです。

その組み合わせとは新規開拓でコンプレックスセールスであれば、初回商談=WEB商談、その後の提案などは訪問営業(一度か二度ほど)。シンプルセールスであれば、初回商談からクロージングまでをWEB商談で完結する。

ルート営業の場合、重要顧客=訪問して打ち合わせを行い定期的な顔出しに適宜WEB商談を入れて効率化をはかる。重要顧客以外はWEB商談を使い軽い情報提供などを行いフックづくりし、数回に一回の訪問で済ませる。

このような組み合わせが基本になり戦略によって組み合わせを変えて考えるのが良いでしょう。

これからまだまだ普及するであろうインサイドセールスですから、今のうちに慣れ親しみフル活用できるようにしておきたいものです。

是永英治

代表取締役

創業以来22年間、約600社の営業代行プロジェクトの指揮を執り様々な山を越えてきた営業代行のパイオニア。